自分達らしいパン屋さんを目指して

bakery+ arinomamma

自分達らしいパン屋さんを目指して

パン屋 福笑として
お店を始めてからだと4年

そしてbakery+ arinomammaとして
スタートして間もなく1年を迎えます。

店主の夢であり、目標だった「パン屋さん」

ありのまんまのパンが入ったショーケース

パン作りを生業とし、お客様の「美味しいね」からたくさんの喜びをいただき、試行錯誤の中で様々な経験を重ね、お店をしていなければ出会うことがなかった素敵な人たちとのご縁をいただき、パン屋さんをして本当に良かったなと感じています。

一方、まだまだ道半ばだと感じることも。

「パン屋さん」というのは1つの自己表現の方法です。

bakery+ arinomamma

刻々と変化する社会情勢・環境の中で、自分たちがどう生きていきたいのか。

どこにも「正解」はなくて、自分達で答えを探っていくしかありません。

毎日少しずつ、手探りの中での実験や試行錯誤を繰り返しながら、今までのように、行ったり来たりを繰り返しながら、揺れながら進んでいくようです。

それは時に、目に見えるものではなく、静かに水面下で発酵していく酵母菌達のようにかもしれません。

軌道修正

「bakery+ arinomammma(ベイカリー プラス ありのまんま)」の店名には自分たちが、自分達らしく生きて生きたいという想いが込められています。

もちろん生業としていくためにはある程度の収入は必要ですが、どんどん作って、どんどん売って(大量生産・大量消費・薄利多売)…とは考えていません。

自分達が心をこめて作れる量のパンを、必要として下さる方にお届けしていく。
1周年を前に、シンプルですが、そこに立ち返っていきたいなと改めて考えています。


様々な種類のパンが並んでいるパン屋さんは魅力的です。

クロワッサンにデニッシュ、クリームパン…どれも私が好きなパンですが、当店では作っていません(笑)

お客様のニーズにお応えしたいという気持ちもありますが、種類をたくさん作ろうと思うと、具材の準備で、手間が増え、製造に時間がかかってしまいます。

そうすると店主は日々の製造に追われ、より美味しいパンを目指して改良していく時間が確保できなくなってしまいます。

bakery+ arinomamma

努力と根性で頑張るのも一つですが、よりシンプルにすることで、必要な時間を生み出していけたら生活全体が豊かになるのではないかと思っています。

日本という国は、パン屋さんに留まらず、労働時間が諸外国と比較すると長いです。
もう少し、時間と心に余裕をもって生きたい。その方がずっと集中して、クリエイティブで、美味しいパンを焼くことができると考えています。

そこで、これからパンの種類を減らしていきます。

そうすることで店主の時間を生み出し、その時間で自家製粉したフレッシュな小麦粉を使用し、より美味しいパンをお届けするために試作時間を確保していきます。

パンそのもののブラッシュアップを進めていく所存です。

小麦粉の種

そうは言っても、お客様のご要望にもお応えしたい気持ちもあり、煮え切らない店主。

店主の代わりに、スタッフがタルティーヌ(オープンサンド)として、様々なテイストのパンをご用意させていただきます。

タルティーヌ

そんなタルティーヌをより一層美味しくするために
フランス料理のシェフの方にもご協力いただいて、現在ブラッシュアップを行っております。

完成し次第、順番にご紹介させていただきますので、楽しみにしていてください。

ありのまんまの店内

自然の美味しさを未来へ繋ぐ循環を

店名の「bakery+arinoamma(ベイカリー プラス ありのまんま)」には、もう1つ「自然の美味しさをありのまんまお届けする」そんな想いも込められています。

当店で使用する食材は、なるべく自然の力を活かして育てられた生命力ある素材を選んでいます(オーガニックや無化成肥料の食材)。

そして、本来の食材の味を妨げる保存料など化学的な添加物は一切使用せずに、パンをお作りしています。

さらに素材はなるべく国内のもの、近郊のものを選び、農作物の作り手である農家さんを買い支えていきたいという思いがあります。

これは、「パン屋 福笑」の時からの想いです。

美味しいだけでなく、身体にやさしいパン作りを。

食べる人だけでなく、作り手(農家さん)や地球にも優しいパン作りを。

今だけでなく、未来の子どもたちにもこの美しい自然を残していけるパン作りを。

夏とシュトレン

丁寧に作られている食べ物は、やはり体に負担が無く、すっと入ってくる。

そして何よりも美味しいです。その美味しさをお伝えすること。

オーガニックや無化成肥料の農作物は美味しいだけでなく
農家さんの健康を害したり、土の微生物や虫たちの住む環境を奪わない、やさしい・共存の世界。

そんな「優しさ」も一緒にパンと共にお届けすること。

そして、共存共栄の持続可能なパン作りで、未来の子ども達にも今ある美しい自然を繋いでいくこと。

「小さなパン屋の、大きな想い。」かもしれませんが、自分達にできることを少しずつでも、コツコツと積み重ねていけたらなと思っています。

新しくオーガニックや無農薬で就農しようと思う人がいても、その作物を購入する人がいなければ、せっかく就農しても続けていくことができません。

農薬を使用した作物と比べると、手間がかかったり、収穫量が少なかったりするので、販売価格が高くなるのは致し方ありません。

それでも志をもって農業に向き合い、取り組んで下さっている農家さんへの尊敬と感謝を込めてきっちり対価をお支払いする。そして、パン屋としてできることは、農家さんが大切に育てられた作物達の美味しさを、パンとして食べて下さる皆様に丁寧にお伝え・お届けすること。

そんな橋渡し役も少しずつ担っていけたらと思っています。

素材の美味しさありのままを、
ありのまんまの自分達で

1周年の節目に思い新たに、
進んでいきますので
どうぞよろしくお願いいたします。

店守 妹尾 秀美

bakery+ arinomamma